もし初期胎児ドックで染色体異常があったらどうするか?、という夫婦の話し合いのまとめです。
出生前診断をするには夫婦の話し合いが不可欠です。
もし初期胎児ドックで染色体異常が見つかったら、次のステージはどうするのか?とか、話し合いました。
初期胎児ドックで染色体異常が見つかったら
初期胎児ドックと血清マーカーで精度は95%まで上げられるそうなので、初期胎児ドックで異常が見つかった場合、通常なら病院から血清マーカーの検査も勧められます。
その結果で、確定診断である絨毛染色体検査をするか、羊水検査をするかになります。
我が家は夫婦で血清マーカーの診断はどうしても年齢的に確率が上がってしまうので、だったら初期胎児ドックの診断結果のみで、確定診断をするかしないかを決めようと話し合いました。
この時点で初期胎児ドックを受けた後、病院のカウンセリングを行った後に書いた記事なので、カウセリングの内容も含めて書きます。
医師は流産リスクのある確定診断を積極的には勧めない
看護師さんは、確定診断には流産のリスクがあるので、初期胎児ドックの検査結果だけで確定診断は勧めないと言われました。
ただ、患者さんが希望している場合は、先生にその旨を伝えるので、先生と相談してくださいと言われました。
先生もやはり確定診断を積極的に勧めない方針でした。
初期胎児ドックと血清マーカーの診断の結果で精度が95%も上げられるから、いきなり流産リスクを伴う確定診断をやる必要はない。と言うような説明を受けました。
初期胎児ドックの結果が悪ければ、血清マーカーを勧めて、その結果で確定診断をするかどうかを判断する方針でした。
ただ、我が家の場合は初期胎児ドックで異常が全くなかったので、先生からは「不安なら血清マーカーやってもいいし、やらなくても良いよ」と言われました。
患者側のリスクを少しでも減らしたいという先生の誠実な対応に好感を持ちました。
一方で確定診断をいきなり勧める医者もいる
主治医の病院では、患者さんが出生前診断を希望した場合、いきなり確定診断を勧めているそうです。
その場合は主治医が紹介状を書いて、然るべき機関で受けることになります。
出生前診断はできる期間が限られる為、事前の初期胎児ドックや血清マーカーをやる時間があったら、もういきなりやった方が良いという判断のようです。
出生前診断を行っている医師と、出生前診断を委託している医師との温度差
おそらく、確定診断をいきなり勧める医師とそうでない医師の差は、直接出生前診断を行なっている医師と、出生前診断を委託する医師の温度差ではないかなと思っています。
出生前診断を行なっている医師の元には、患者さんが出生前診断の流産リスクの不安を抱いて、そのリスクを避けたくて初期胎児ドックを選択して来ています。
患者さんの意見をダイレクトに聞くので、患者さんに寄り添う形で行うのが1番大きいのかもしれませんね。
一方で、それらの検査をせずに出生前診断を勧める医者は、自身で出生前診断を行っていないからだと思います。
確定診断をする医師は、流産リスクを伴うので、診断には慎重にならざるを得ません。
確定診断を委託する医師は、委託先が流産リスクを背負う事になるので、責任を持ちません。
この差なのかなと思いました。
金銭的にはいきなり確定診断をした方が安上がり
時間との兼ね合いもありますし、金銭的なことを考えると、いきなり絨毛染色体検査や羊水検査の確定診断をした方が安上がりです。
確定診断は大きな大学病院だと8〜10万、個人病院だと20万ほどかかります。
血清マーカーや初期胎児ドックの金額は同額くらいで、病院によって各3〜6万円かかります。
初期胎児ドックと血清マーカー、そして診断結果次第で確定診断をやると、金額は30万円以上になります。
確定診断には流産リスクが伴うので、お金を払ってでもリスクを減らしたい人、もういきなり結果を知りたいという人、自費である以上、選択は人それぞれだと思います。
確定診断は最後の手段にしたかった
私が初期胎児ドックを受けたのは、流産リスクが怖かったからです。
流産リスクを考えると、事前の調査なく直ぐにやるという選択はできませんでした。
年齢的に血清マーカーの結果は跳ね上がるのは分かっていたので、胎児自身で判断する方法を見つけて、初期胎児ドックにしようと旦那に相談しました。
金銭的には、確定診断を直ぐにやった方が安上がりなのは分かっています。
でも、前回繋留流産をしている私は、流産リスクはなるべくなら避けたかった。
確定診断を最終手段にしたかったのです。
確定診断で異常が見つかったら
夫婦で話し合いましたが、もし絨毛染色体検査や羊水検査の確定診断をして異常が見つかった場合、上の子の負担を考えた結論を出す予定でした。
でも、私は初期胎児ドックを受けるまでその覚悟がありませんでした。
もし見つかったら覚悟を決めなくてはならない…
でも、やっと…やっと奇跡的に授かった命だったから。
かなり辛い決断になったと思います。
旦那からは初期胎児ドックを受ける以上、その覚悟は持ったという事でいいね?
と言われました。
じゃないと受ける意味がありませんから。
でもずっと信じてました。
この子は大丈夫って。
また不妊治療を受けようと病院に行ってピルを渡されて飲まずに、最後のチャンスだと思ってできた子だったから。
本当に奇跡ってあるんだなって久しぶりに思いました。
異常がなかったから言えることですが、異常が見つかったら、確定診断をやる以上覚悟はしなくてはと思っていました。
でもそう簡単に気持ちを割り切れるものではありませんよね…。
稽留流産をして手術をした時とは比べ物にならないほどの罪悪感を持たないといけないわけですから…
あの時も辛かったけれど、恐らくそれ以上の辛さを一生持たないといけないと思うと、その覚悟があったのか?と言われれば…。
全ては結果論ですね……。
綺麗事では済まない現実を見てきて
私は大学で教員免許を取得する為に、養護学校の研修に行きました。
軽度から重篤な障碍者がいて、毎日先生が教えるというより、介護をしている現実を目の当たりにしました。
更に福祉施設の研修も入っていましたが、就労支援を行っている福祉施設だったので、軽度な障碍者の方が働いていました。
私の妹は重度の知的障害者、身体障害者の施設で働いていました。
暴れられて青痣は常につくし、軽度から重度の命に関わる障碍者もいたので、深夜勤務も当たり前で安月給。
手に負えず施設に預ける人もいて、年末年始でさえ引き取りに来ない家族もいるから、職員も休めない。
おまけに精神的にきた職員がストレス発散から同僚の金を盗むというのが常態化していて、施設側も誰か一人でも抜けられると人員補充ができないから見過ごすという劣悪な環境。
妹は介護福祉士の仕事を辞め、今後絶対にやりなくないと言ってました。それくらい現場は壮絶です。
私が関わったのはほんの数週間ですが、介護福祉士の職業を選択した人は、ずっと関わり続けなければなりません。
親が死んだ後はその兄弟に負担がかかります。
お金で解決する手段があっても、それが誰かの負担になる。
これが現実です。
この先日本の福祉制度は維持する余裕はありませんし、本当に綺麗事では済みません。
最終的に決めるのは夫婦
出生前診断をやるにあたっては、1番大事な事は夫婦で話し合う事です。
出生前診断ができる期間は限られていますから、限られた時間で話し合い、決断しなければなりません。
そして、夫婦で話し合った事にお互い責任を持つことだと思います。